doctoral program博士後期課程進学を検討されている方へ

大学院総合科学教育部(※創成科学研究科の前身)の博士後期課程の修了生からお話しをお伺いしました。
博士後期課程への進学を検討される際の参考としてください。

中村 みづきさん  (2020年3月修了) 
職業 教員/理学療法士

1.プロフィール

【学歴】
2015年 徳島大学大学院総合科学教育部博士前期課程地域科学専攻入学
2017年 徳島大学大学院総合科学教育部博士前期課程地域科学専攻修了
2017年 徳島大学大学院総合科学教育部博士後期課程地域科学専攻進学
2020年 徳島大学大学院総合科学教育部博士後期課程地域科学専攻修了

【職歴】
2013年 医療法人徳寿会 鴨島病院リハビリテーション部 入職
2017年 医療法人徳寿会 鴨島病院リハビリテーション部 退職
2017年 医療法人ひまわり会 中洲八木病院リハビリテーション部 入職
2020年 医療法人ひまわり会 中洲八木病院リハビリテーション部 退職
2020年 行岡保健衛生学園 大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科 助教 現在に至る

2.現在の仕事の内容について

 現在は理学療法士を養成する大学で教員をしています。修士・博士課程では、応用生理学研究室に所属していたので、現在は内部障害理学療法、運動器生理学など関連する科目を担当しています。また、産学連携事業として、大学で定期的に開催されるフィットネスクラブの運営とその効果検証に取り組んでおり、大学院での地域高齢者の健康増進を目的としたフィールドワークや研究の経験は、現在の学生教育や産官学事業に携わる中で活かされています。その他、理学療法士として臨床業務を行ったり、大阪府理学療法士会の広報業務にも携わっています。

3.博士課程・博士後期課程に進学したきっかけ

 博士課程に進学した理由は、修士課程で学ぶ中で教育に興味をもち、将来教育現場で働きたいと考えたためです。修士課程中に学部生達と卒業研究や地域のフィールドワークを通して交流することができ、将来を担っていく若い学生の力になりたいという気持ちが強くなりました。フルタイムの仕事と大学院の両立に不安もありましたが、学生教育に関わる上で理学療法士として、研究者として、まだまだ力不足を感じていたので、自身のスキルを高めることが必要だと思い、博士課程へ進みました。

4.博士課程・博士後期課程に進学したメリット

 研究計画の立案や遂行能力、物事を客観的かつ批判的に考察する能力、論文を書く能力などを身につけられ、専門分野の「お墨付き」をもらえるところは、最大のメリットであり、私自身も博士課程で培った経験が今の研究の土台となっています。また、博士は、大学教員になる上で必要な要件となっていることが多いため、私にとっては取得した時点でやりたい仕事に就けたという大きなメリットになりました(勿論、修士で大学教員になることも可能ですが応募できる幅は広がります)。博士課程在学中は、仕事と学会発表・論文投稿の締切などと常に格闘していましたが、限られた中での時間の使い方、物事の優先順位のつけ方、時には休み方などを学び、四苦八苦する中で自身のキャパシティを広げることができたと感じています。博士取得以降も、理学療法士の仕事をする上でプラスに働くことが多いと感じています。

5.博士課程・博士後期課程に進学を考えている方へのメッセージ

 「私のキャリア」としては、博士取得にメリットしか感じていません。博士は「時間的な拘束」「多忙」女性においては「ライフプランとの兼ね合い」がデメリットとしてよくあげられますが、結果として自分のスキルや働く世界に広がりをもたせてくれるのであれば、それは貴重な「経験」であり、私にとっては財産となっています。また、日々臨床で働いているだけでは出会わなかった人との出会いや、修士課程~博士課程まで指導いただいた教授や研究室のメンバーの支えがあって取得できたため、人との繋がりを深め、仲間づくりができる場所だと思います。

私は、研究者としてスタートしたばかりで、これから博士という学位を以て何をすべきかを模索しているところですが、博士という学位は何かをするための強い味方になってくれるものだと感じています。ぜひ博士のキャリアを一考してもらいたいと思います。

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