山本哲也准教授と内海千種教授らの研究成果が日本アルコール・アディクション医学会優秀演題賞を受賞しました

2023.10.31

徳島大学大学院社会産業理工学研究部 山本 哲也准教授、同研究部 内海 千種教授、労働安全衛生総合研究所産業保健研究グループ 菅谷渚研究員らの研究グループは、我が国で行われた最初の緊急事態宣言から1年後(2021年6月14日~20日、3回目の緊急事態宣言発令中)、2年後(2022年5月13日~30日)の2つの時期の大規模調査データを用いて、COVID-19パンデミック下の飲酒行動の推移と関連する心理社会的因子について検討しました。研究成果は、2023年10月13日(金)〜同年10月15日(日)に行われた「2023年度アルコール・薬物依存関連学会 合同学術総会」において発表され、「優秀演題賞」を受賞しました。

【発表演題の情報】
題目:1年間の縦断調査によるCOVID-19パンデミック下の飲酒行動の変化とその心理社会的要因の検討
発表者:菅谷渚、山本哲也、鈴木菜穂、内海千種

【研究成果のポイント】
・ 日本における長期化したCOVID-19パンデミック下において、1回目調査時の心理的苦痛や不安、仕事・学業や経済的困難の増大など様々な心理社会的問題が、2回目調査時(1年後)の飲酒問題と関連していた。
・ 1回目調査時に飲酒問題がなかった人々では、COVID-19に関連した睡眠の問題、心理的苦痛、対面での交流の増加が、1年後の依存症レベルの飲酒問題の発症に関連していた。また、趣味活動の減少が、1年後の(依存症には至らない程度の)危険な飲酒の発症に関連していた。  
・ 1回目調査時に、(依存にまで至らない程度の)危険な飲酒傾向のある人々においては、抑うつの強さが1年後の飲酒問題の悪化(依存症レベルの発症)に関連していた。
・ 飲酒問題とその関連因子との相互作用動態を網羅的に検討した結果、飲酒問題が比較的多いグループでは、心理社会的な問題が顕著なグループと、それらが目立たないグループの両方が存在し、後者のような特徴の人々においても飲酒問題に注視する必要があることが示された。

なお、本調査プロジェクトに関連する内容については、以下のリンクからも確認できます。
https://www.catlab.info/covid-19

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