学科 / コース：社会総合科学科 地域創生コース
留学先 / 期間：ネパール（海外フィールドワーク） / 2018年9月中旬～下旬（２週間）
●いつごろから留学の準備を始めましたか。または意識しましたか。
留学を意識し始めたのは、自分自身が文化人類学に興味を持ち始めた1年生の後期くらいからです。前期の文化人類学の授業を受けた際に人類学ではフィールドワークを行うということを聞き、もし自分が人類学を専攻するならば、前もって海外でフィールドワークを経験しておくと非常に都合が良いだろうと考えました。本格的な留学の準備自体は2年生の5月くらいからです。
●なぜ留学先にその大学（またはプログラム）を選びましたか。
上述のように、海外フィールドワークを経験しておきたかったから選びました。それと短期間ではありましたが、自分自身がアジアの山奥で調査を行えるほどの根性があるかということを知りたかったのも選んだ理由の一つです。海外渡航経験はあったので、特に純粋な気持ちで海外へ行きたいとか、いろんな文化に触れてみたいという理由ではなかったです。
●留学に向けてどのような勉強をしましたか。
授業としては、引率してくださった内藤先生の国際協力についての授業を受けました。その授業では国際協力の進め方や注意しなければならないこと、国際協力を行うにあたっての組織形態について学びました。留学の事前学習として、海外へ行った際に感染する可能性のある病とその治療法および対策について、そしてネパールの歴史的・文化的な歩みについて学びました。
●留学中、現地の方や他の留学生と、どのような交流はありましたか。
留学期間中は首都カトマンズで日本語学校の学生さんたちと日本語およびネパール語での交流がありました。ブジュン村に到着した際は、村の方々からの温かい歓迎を受け、滞在期間中も非常に手厚いおもてなしをしていただきました。また、カトマンズのバザールでは壮絶な交流（という名の値下げ交渉）も多々繰り広げられました（笑）。
●留学中の楽しかったエピソードを教えてください。
ブジュン村では民宿を利用していたのですが、夜にブジュン村の子供たちが私たちの民宿まで遊びに来てくれました。私が村の女の子に話しかけると「黙れ！」と連呼されて、非常に切ない気持ちになったのを今でも覚えています。最終的にはその子にも名前を覚えてもらえ、一緒に英語の勉強をするほど仲良くなれたのは忘れられないです。毎晩のように行われていましたが、他の研修メンバーと村の御婦人方による、ネパール徳島の友好の証と思われるよく分からない歌と舞を見るのはとても楽しかったです。
●留学中、困ったことはありましたか。
ブジュン村は標高が高いので昼夜の寒暖差が大きかったです。幸いなことに今年は体調を崩す人は誰もいませんでしたが、体調管理は非常に難しかったです。さらにブジュン村は山奥にあるため移動時間がとても長く、移動による疲労はそれなりに大きかったです。
●留学前と後で自分自身での変化はありましたか。
自分自身は特に大きく変わったことはありません。しかし留学を経験したことで、より人類学に対する興味を持つことができました。
●留学で得たものは何ですか。
実際にブジュン村でヒアリング調査をしてみると、家庭の米の自給率は私が予想していた結果ではなく、自分の想像する「農村のブジュン村」は現実と乖離しており、普通の農村で現金収入をあげるプロジェクトであると考えるには難しいものがありました。このように知らない土地でプロジェクトを行う際には、その土地へ足を運ぶことで村の実態を把握することが、プロジェクトを進めて行く上での重要な準備段階になるということを今回の留学で学ぶことができました。
●留学での経験が生活にどのように影響しますか又はしていますか。
語学留学などではないため、留学での経験が現在の生活に何か影響しているかと言われると特に大きな影響を与えているわけではないです。ただ、ネパールの方々が日本にきた際には実際に会いにいったり、来年も機会があればまた訪れたいと思うようになり、興味関心の幅が広がったように思います。
●これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします。
1－2年生のうちから、このような実際に海外の山奥の村に入って調査をすることは滅多に経験できません。文化人類学や国際協力に興味がある人にとっては都合の良い機会だと思います。ハッキリ言って楽しいことばかりではないです。キツイ思いをすることもあります。（特に移動面で）。しかし、それでも私はブジュン村を離れる前日の夜に「また来年もブジュン村に戻ってくるよ」と村の人たちに伝えました。それほど今回の留学プロジェクトは私にとって有意義なものでした。他の留学プロジェクトの詳細は分かりませんが、これらがみなさんにとって価値のあるものになると思います。ぜひチャレンジしてみてください。