留学体験記 – 小嶋誉大さん

学科 / コース:社会総合科学科 国際教養コース
留学先 / 期間:ルンド大学(スウェーデン)/2022年8月~2023年1月

・いつごろから留学の準備を始めましたか。または意識しましたか。
留学の準備を始めた時期は3年生の冬、2021年の12月です。この時期に2022年夏からの留学の説明会がありました。それ以降2月に面接、4月に必要書類の提出、7月にはスウェーデンでの滞在場所探し、という流れで準備を進めました。留学を意識したのは高校2年生の時です。私は学校のプログラムで2週間オーストラリアのパースに語学研修に行きました。その研修ではホームステイなど良い経験ができましたが、英語力の向上や現地の文化を深く知るには時間が足りないと実感したました。それから大学では長期の留学をしたいと思うようになりました。

・なぜ留学先にその大学を選びましたか。
理由は二つあります。
一つ目はルンド大学から徳島大学に来ていた留学生の友人がいて、彼と話すことで興味を持ったからです。二つ目は、せっかく留学に行くなら他の日本人留学生があまり行っていない国に行きたいという思いがあったからです。

・留学に向けてどのような勉強をしましたか。
留学前にしていたことは主に二つです。一つ目はルンド大学から徳島大学に来ている留学生と交流すること。彼らとの交流では、私は徳島大学での過ごし方を彼らに教え、彼らからはルンド大学での生活について教えてもらっていました。二つ目はアカデミックイングリッシュなど英語を話す授業を履修することです。

・留学中、現地や他の留学生と、どのような交流はありましたか。
留学初期に滞在していた場所は大家さんの家の敷地内にあり、大家さんのご家族のパーティーに参加したことがとても良い思い出です。スウェーデンの伝統料理のミートボールや度数の高いお酒を一緒に飲んだことは貴重な経験でした。また授業のグループワークをともに行った他国からの留学生メンバーや日本語学科のスウェーデン人学生とよく交流していました。母国語の違う面々で土日に学校に集まってプレゼンを作って、無事やり遂げた時は大きな達成感がありました。

・留学中の楽しかったエピソードを教えてください。
スウェーデン人の友達と新年を迎えたことです。日本の年越しは静かに、厳かに行われるものですが、スウェーデンの年越しは街の至るところで花火が打ち上がり、街全体がパーティーのようでした。彼らと朝まで騒いだり語ったりして、より仲を深められた日だったと思います。

・留学中、困ったことはありましたか。
困ったことは2つあります。
1つ目は、ルンドで住む場所が見つからなかったことです。(留学前の話ではありますが、かなり困ったので書かせていただきます。)ルンド大学に留学したすべての人がこういった体験記に書いていると思いますが、ルンド大学では学生の寮不足が深刻です。私は留学前にルンド大学が提供している寮の抽選に参加しましたが、落選しました。結局私はFacebookを使い、ルンド周辺で部屋を貸し出している投稿をしている人に個人メッセージを送り、デポジット(敷金)をwiseという国際送金サービスを使って払って、契約をする、という流れで部屋を獲得しました。これが渡航2日前なので、かなり困りましたし、焦りました。
今後ルンドに留学する方に留意しておいてほしいことを5点記載しておきます。かなり細かい内容なので、必要でない方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
①ルンド大学の寮の抽選に参加する。
②AF bostäder (ルンドの貸し出し中の部屋一覧と、その抽選に申し込めるサイト) の抽選に参加する。
③bo poolen (部屋の貸主、借主となる人が広告を出しているサイト)を使って、貸主に「住まわせてください!」とダイレクトメッセージを送る。
④Facebook を使って、部屋の借主の募集をしている人にダイレクトメッセージを送る。
⑤これらを、渡航の4ヶ月ほど前から並行してやっておく。
2つ目の困ったことは、通学に使っていたバスが夜になると使えなかったことです。
私は留学中に1度引っ越しをしたので、スウェーデンで2カ所に滞在しました。(この引越しもやむを得ないものでしたし、読者さんの想像の通り部屋探しは難航しました。)両方とも通学にバスを使っていたのですが、夜遅くのバスが「来ない」ことが頻繁にありました。遅れてくる、とかではありません。時間通りにバス停で道を凝視しても来ませんし、不思議なことに専用のアプリ(Skånetrafiken)を確認したらちゃんとバス停に発着していました。学校を出るのが遅くなった時は、始発駅であるルンド駅まで歩き、そこからバスに乗ることで対処していました。

・留学前と後で自分自身での変化はありましたか。
行動力が更に強くなりました。留学前から好奇心や興味関心に従って動く性格でしたが、留学に行くことでそれが更に大きくなりました。留学先では、日本にいるとき以上に「するか、しないか」という選択の連続でした。例えば授業で「手を挙げるか、挙げないか」や「隣の席の学生に声をかけるか、かけないか」などです。そういった状況で「する」選択を繰り返したことによって、臆さず挑戦できる行動力がついたと思います。

・留学で得たものは何ですか。
日本人としての意識です。留学生活では多くの留学生や現地の人と関わります。彼らにとって日本人=自分となることも多いです。それは、彼らが自分を通して日本を見ることになることを意味します。自分の言動で日本という国の印象を変えてしまう、変えることができる環境に身を置いたことで、日本人としての意識、日本人代表として海外の人と接する責任感を得ることができました。

・留学での経験が生活にどのように影響しますか又はしていますか。
留学での経験が日本での生活に大きな影響があるか、というと特筆するほど大きくはありません。変化をあげるとしたら、SNSでつながっている友達一覧にアルファベット名が増えたことです。海外の友人と携帯を通してつながっていることでお互いの近況を報告し合って、新たな知見を得ることもあります。またそれによって国外の状況についてもより自分ごととして捉えられるようにもなりました。留学先で勇気を出して作ったつながりが、日本での生活においても大事なつながりのままであることが、留学先の経験が帰国後の生活にあたえている影響です。

・これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします。
「なんだかんだ、留学は良い。」というメッセージを送らせていただきます。
昨今、オンラインの留学や英会話アプリなど、日本にいても英語力を向上させることができるようになっています。そんな中でわざわざとても大変な準備をして、慣れない海外に住む必要があるのかと自問自答してしまうことがあるかもしれません。もしくは、自身の英語力に不安があって、英語力を上げてから留学に行こうと思ってしまうかもしれません。事実、私は留学前に上記のような考えがよぎり、留学をやめることを1度決意したこともあります。しかし、家族や大学の職員の方に支えられて、留学に挑戦することができました。
留学はとても大変でした。留学前の不安の通り、授業はおろか周りの学生が何を言っているか分からないし、部屋も見つからないし、買い物しようにも何が書いてあるか読めないなど、苦労は数えきれないほどありました。しかし同時に、数えきれないほどの素晴らしい経験ができました。
格安でヨーロッパ周遊の旅行に行って、各国のクリスマスマーケットを巡ったり、北極圏でオーロラを見たりしました。旅行では時間が足りなくてできないことも、留学して海外に拠点を置くことで出来るようになります。当たり前ですが、留学に行けば、留学でしかできない経験ができます。そしてその経験を共有した人は、とても良い友人になります。「留学」という文字が少しでも頭の中にあるのなら、ぜひ飛び込んでみてほしいです。きっとあなたの人生を豊かにしてくれます。
この留学体験記が、あなたの背中を押すものとなってくれると幸いです。

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