留学体験記 – 川平 紗月さん

学科 / コース:社会総合科学科 国際教養コース
留学先 / 期間:ビショップス大学(カナダ) / 2024年9月~2025年4月

●いつごろから留学の準備を始めましたか。または意識しましたか。
 大学に入学する前から漠然と留学してみたいなとは思っていましたが、本格的に意識し始めたのは一年生の終り頃だったと思います。

●なぜ留学先にその大学(またはプログラム)を選びましたか。
 留学したいとは思っていましたがどこがいいのかわからず、先生と相談したり自分で調べたりしながら決めました。決め手は、ビショップスが比較的規模が小さめの大学だったので、友達が作りやすそうだと思ったのと、幅広い科目を選べたことでした。また、第二外国語としてフランス語を勉強したので、カナダの中でフランス語を公用語としているケベック州に興味を持ったからです。

●留学に向けてどのような勉強をしましたか。
 TOEICの点が低かったので、少しでも自信をつけてからカナダに行きたかったのでTOEICの勉強をして、一度受験してから行きました。洋画を見たり、英会話の講座に参加したりしましたが、もう少ししっかりリスニングとスピーキングの練習をしてから行けばよかったと後悔しています。

●留学中、現地の方や他の留学生と、どのような交流がありましたか。
 ビショップス大学は、敷地内に寮や食堂、授業のある校舎がすべてあるので、友達と交流しやすいというメリットがあります。食堂に行けば自然と友達ができるので、毎日いろんな人とテーブルを囲んで話しながらご飯を食べました。寮も同じ敷地にあるのでご飯の後そのまま寮に移動してみんなでゲームをしたり一緒にラーメンを作ったりして夜遅くまで友達と一緒に過ごすことができました。大学の外にアパートを借りるスタイルだと、このような過ごし方をするのは少し難しいと思うので、この点はビショップスの良い点だと思います。

●留学中の楽しかったエピソードを教えてください。
 毎日ただみんなでにぎやかにご飯を食べるという日常がとても楽しかったです。カナダやアメリカを旅行できたのも楽しかったです。留学中に、ケベックシティ、モントリオール、オタワ、トロント、ナイアガラの滝、ニューヨーク、バーモントに行きました。日本からはなかなかいくことができない場所に行くことができてうれしかったです。ケベック州内を旅行するときは、フランス語をしゃべろうと頑張り、カフェの注文など簡単な会話をできるようになったので、英語を日常的に使いながらフランス語にも触れることができたのがよかったです。また、映画館に行くのも楽しくて、近くの映画館にたくさん行きました。日本では公開されていない映画を一足先に見られたり、昔の映画のリバイバル上映を見られたりしてラッキーでした。ジブリの映画が日本語音声で映画館で見られたのもラッキーでした。

●留学中、困ったことはありましたか。
 自分の準備不足ですが、お金の支払い方法についてよく考えてなかったことです。クレジットカードとデビットカードを一枚ずつ持っていましたが、クレジットカードの上限額が低かったので、寮のお金の支払いの時に困りました。また、デビットカードは国内ブランドのもので、使えない場面が多くありました。購入金額が小さすぎるとき、デビットカードか現金しか使えない場面がたまにあるので、対応できるように国際ブランドのデビットカードを一枚持っておくといいと思います。また友達にお金を送金するときに、口座からオンラインで送金できるように設定をしていなくて不便だったので、日本にいる間に口座の設定は済ませておくといいと思います。
 英語の面では、喋るのは自分が知っている単語をつなげるだけで文法が間違っていても意外と通じるなと思いました。それでも、すべて英語で行われれる授業についていったり、大人数での会話に参加したりるのはハードルが高かったです。しかし、授業は基本的に少人数で行われるので先生は親身になって質問に答えてくれるし、友達と取っている授業だったら、板書を送ってもらえばどうにかなります。大人数の会話に参加しにくい原因は、最初の方は英語力不足が原因の可能性が高いですが、もしかするとその友達が単純に話しづらい相手だというだけかもしれません。自分の英語力不足を責めてしまいがちですが、相手も国籍が違うとしても同じ人間なので日本人と関わるときと同じ考えで友達を選んでいいと思います。いつまでも会話に入りにくいな、居心地が悪いなと思ったら、一緒に過ごす相手を変えてみるといいと思います。

●留学前と後で自分自身での変化はありましたか。
 何をするにも自信を持てるようになりました。8か月日本語が通じない環境で生きて行けたなら日本語も通じるし文化も同じ日本では何にでも挑戦できるような気がしています。これから少しでも興味のあることがあれば、周りの目を気にせず、たとえ自分一人だけだったとしても挑戦してみようと思いました。留学中に後悔したことや失敗したと思ったこともたくさんありますが、それらすべてが無駄ではなく良い経験だったと自信をもって言えます。それはどこにいても何をしても同じだと思うので、失敗しても、良い意味で自分の経験を正当化できるようになったと思います。

●留学で得たものは何ですか。
 まずは、自分自身と向き合い、自分についてより深く理解できたと思います。例えば、留学前の自分は人と関わるのが嫌でできるだけ人間関係が狭いタイプでした。しかし留学に行って、交友関係を広げないのはもったいないと思い、たくさんの人に声をかけて友達を作りました。それによって、いろんな人と話すのが楽しく、会話の中でうまく質問をして会話を回せていることに気づき、自分が意外と人と関わるが得意なタイプだとわかりました。自分のコンフォートゾーンから飛び出してみることで、自分でも知らなかった自分の姿に気づくことができました。それでも、あまりにも長い間人と関わっていると心が疲れてくるので、適度に自分一人の時間を取ってゆっくり取るのも大事だなと思いました。自分のストレスの対処法を理解できたのも良かったです。
 様々な国の人と関わることで異文化に触れられたのは日本にいてはなかなかできない経験でよかったです。言語や文化を超えて本当の友達を作るのはとても難しいことだなと思いました。もう一つ気づいたことは、文化が違っても相手は結局同じ人間だということです。日本で、特に田舎に住んでいると外国人というだけで何か特別な人のように距離を感じることがありますが、そんなことはなく、同じようなことで感動したり、悲しんだり会話を楽しんだりできる、自分と同じ人間です。ひとつの国の人はみんな同じ性格というわけでも、全員がフレンドリーなわけでもありません。当たり前のことなのですが、見落としていた点に気づけたような気がします。

●留学での経験が生活にどのように影響しますか又はしていますか。
 あまりわかりませんが、上で述べたように、自分の新しい面に気づくことができたのでうまく生かせることができればよい影響を生活に与えられると思います。また英語をしゃべる、聞くということに自信を持てるようになりました。英語が分かるようになったことで趣味の洋画鑑賞がもっと楽しくなりました。

●これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします。
 
大学を卒業して社会人になると、一年近く海外に住むという経験をするのはなかなか難しくなってくると思いますが、大学生のうちなら長く海外に住んで奨学金も受けながら授業を受けることができます。私自身、もし行かなかったら後悔しただろうなと思うほど有意義な時間を過ごすことができました。こんなチャンスはなかなかないので、留学に行くか迷っている人は絶対に行った方がいいと思います。心配事はたくさんあると思いますが、とりあえず行ってみたらどうにかなるので頑張ってください。

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