留学体験記 – 原田 真帆さん

学科 / コース:社会総合科学科 心身健康コース
留学先 / 期間:ルンド大学(スウェーデン) / 2023年1月~2024年1月

●いつごろから留学の準備を始めましたか。または意識しましたか。
 留学自体は小学生の頃から憧れていました。大学進学後はコロナの影響で留学が不可能な状況でしたがどうしても諦めがつかず、大学3年の秋(10月頃) に留学生として選んでいただき、そこから本格的に準備を始めました。

●なぜ留学先にその大学(またはプログラム)を選びましたか。
 2つあります。1つ目は幸福のメカニズムに興味があり、幸福度が高い理由を探りたかったこと。2つ目は、北欧圏は家族の中で誰も滞在経験がなかったため、私が行けばファーストペンギンになれると思ったことです。(笑)

●留学に向けてどのような勉強をしましたか。
 私の場合は英文法に自信がなかったので、文法書を一冊取り組み、基礎固めをしました。また、耳を慣らすために、在宅時は常に英語のラジオを聴き流していました。簡単なスウェーデン語の挨拶も確認していました。特に渡航1ヶ月前からは事務系手続きが大変でまとまった勉強時間を取れなくなっていましたが…。

●留学中、現地の方や他の留学生と、どのような交流がありましたか。
 学内では、他授業以外にもの生徒と交流する機会が盛んに用意されています。例えば、日本でいうサークルのような学生団体が10以上あり、それぞれが毎日異なるイベントをやっていますし、日本語学科の現地学生と週一で言語交換する会ではorganizerを務め、日本人留学生による現地学生に向けたイベントの開催を手伝ったりもしました。ルンド大学はスウェーデンで一番留学生の割合が多いので、交流の機会に関してはむしろ取捨選択が必要です(笑)。
 また、私はアパートの1人部屋に住んでいたので寮の交流がなかったこともあり、大学を飛び出て地域の慈善団体にほとんど毎日訪れていました。そこで出会った音楽仲間たちとバンドを組み、帰国前にライブをしたのは良い思い出です。

●留学中の楽しかったエピソードを教えてください。
 たくさんありますが、一つ選ぶとしたら、クリスマスにスウェーデン人の友達家族でのお祝いに5日間招待してもらったことです。スウェーデン人にとってクリスマスは一番大きなイベントで。60年前から伝わるクリスマスの日限定のテレビ番組や、家庭料理、歌などがあるのですが、それらを家族の一員として経験できたのは本当に貴重でした。これまでは現地の子供たちと交流する機会がなかったので、この時に初めて遊び、雪合戦などをしましたが…スウェーデンキッズの雪合戦スキルには脱帽しました。家族の合流するまでの不安が大きかった分、終わった後に感じる楽しさも大きかったです。

●留学中、困ったことはありましたか。
 こちらも色々ありますが、寮関係が一番大きかったです。具体的には、圧倒的な寮不足で渡航直前まで寮が決まらなかったことと、寮を出るときに「清掃が足りない」など理不尽にお金を請求されました。スウェーデンへの留学を考えている場合、とにかく早めにビザを取り、寮の争奪戦に早めに乗ることと、入居した日の部屋の写真を隅々まで撮っておくことをおすすめします。
 あとは、体調を崩した時です。日本で食べていたゼリーやお粥などは手にいれるのが難しく、40℃近い熱の中ただ耐えるしかないことも多々ありました。ただ病院受診に関しては、保険会社が仲介して現地の病院を予約してくれるので、現地で困ったら保険会社に連絡していました。

●留学前と後で自分自身での変化はありましたか。
 ありきたりかもしれませんが、自分自身に対して、また生き方に対して、自信がつきました。留学中は、楽な方向にも簡単に流されることができてしまう環境だからこそ、時に覚悟が必要だし、自律心が試されます。知り合いはおらず、言語も違い、ほぼゼロスタートだからこそ、自分が人生において譲れないことは何かを探るきっかけにもなります。私はもともと頑固なタイプでしたが、留学前に立てた目標に対して程よく臨機応変になりながら結局は目標以上の結果を持って帰ってこられたことは、自信につながりました。

●留学で得たものは何ですか。
 とにかく広い視野と、一緒に苦難を乗り越えた友人の存在です。多様な国籍の人々と交流し、正解が一つではないと同時に、国によっても正解(正義)が違うことを学びました。また、詐欺や窃盗などに数多く遭う中で、正しいと思うことや希望・不満を主張せざるを得ない状況が続き、良い意味で厚かましくなった気がします(笑)。

●留学での経験が生活にどのように影響しますか又はしていますか。
 必要に応じて欲しい情報を英語で検索するようになったことは大きな変化です。英語の記事・動画・ニュースを見る習慣がついたことで、一気に見える世界が広がりました。それと同時に、日本を離れたことで日本の良さを再認識したので、日常の小さなありがたみや幸せを噛み締めるようにもなりました。

●これから留学を考えている人へのメッセージをお願いします。
 学生生活において、留学経験が全てではないと思います。私自身、『留学は人生を変える!』という経験談はあまり信じておらず、そこまで期待していなかったです。ですが、そんな私も、留学を経て、人生が変わりました(笑)。少しでも興味があれば、やってみることをおすすめします。金銭面などの物理的な課題は、頼れる支援が充実しています。
 そして一番お伝えしたいこと、それは【留学前の準備量=留学の充実度】です!
 不安もあると思いますが、応援しています。一緒に頑張りましょう!

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